果報

二度寝して待つ

子供に小さな障害が見つかった話

久々に3歳児を抱っこで寝かしつけた。普段は滅多にしないお昼寝をしたせいで、寝室に行ってから2時間以上動き回っていたけど、21時を過ぎてやっと静かになった。

午前中に行った眼科で、両目に遠視があること、特に右目の度合いが強く、加えて乱視もあることがわかった。このまま放っておくと、左右差から視力が正常に育たない可能性があるらしい。

これまでの日常生活で視力の違和感は特に感じず、むしろ「よくそんなところまで見てるなあ」と感心することが多かったので、今回の診断はやや驚いたけど、病院で診てもらうまで気付かないというのは、この年齢ではよくあることらしい。

治療方法としては、眼鏡で左右差を矯正していくのが基本のようだ。眼鏡は保険と助成金で4万円弱まで賄ってくれるらしく、このご時世にありがたいと思った。

健康だと信じていた子供の小さな障害に、奥さんは少なからずショックを受けていた。相談した結果、今回の診断を疑うわけではないけど、セカンドオピニオンとして、近いうちに別の病院でも診てもらおう、ということになった。

眼鏡をかけることで、幼稚園の友達から何か言われないかも心配だそうだ。確かに、自分も小学生の頃から眼鏡だったから分かるけど、「○○メガネ」というあだ名は覚悟すべきかもしれない。1

ただ、そういう経験から「言われたらどう思うか」を学んで、外見を揶揄される人の気持ちを少しでも想像できるようになれたら、この小さな障害にも価値があるだろうなと思う。


自分の場合、人生で一番の障害は「アトピー性皮膚炎」だった。

小中学生の頃は、夜中に体中を搔きむしるので、毎日布団が血だらけで、皮膚のカスがそこら中に散乱していた。毎朝の日課は、そのカスをベッドの下に敷いた新聞紙にまとめて捨てることだった。

学校には、ガーゼと包帯を全身に巻いて登校した。当然、外見について周囲から色々言われるし、顔の症状が酷かったときは特に、こんな見た目で人に会いたくないと心底思った。

痛みと痒さでなかなか寝付けない夜に、なんで自分だけ、とか、この病気が治るなら他に何も望まないのにと、悔しくて何度も泣いた。

高校生の頃に、今の皮膚科に出会ったのが転機となって、以降は徐々に良くなった。物心ついた頃からガサガサだった肌が滑らかになって、「これが普通の人の皮膚か」と感動したのは忘れない。

その皮膚科にも、最近は通院していない。一昨年あたりから、ステロイドのない、普通の保湿だけで安定するようになった。小学生の頃に夢見た生活を、30年経った今、やっと送れている。

子供には、これと同じ思いはさせたくないなと思う。


2023/11/28追記:続きを書いた。

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  1. 最近、わが国の首相が「増税メガネ」と呼ばれている、というニュースをみた